三叉路結成!!   

そのころ僕はパンクバンド BEBOP のヴォーカルをやっていた。
新潟の専門学校時代にブルーハーツが好きな連中で組んだいわゆるパンクロックだな。
学校を卒業後、上京(帰郷?)してきた僕と新潟育ちのバンドリーダー やっちん(Gt)を軸にベースとドラムを入れ替えしてライブ活動を始めた頃だった。
BEBOP についてはそのうち触れようと思うんだけど、(今もメンバーを変え活動中!)まだ我が強かった僕は、単純なパンクにだんだん飽きてきた頃だった。
メンバー内でもいろいろ いざこざがあってね、そんな時に偶然渋谷のKEY楽器店でパートナー募集の張り紙をみつけたんだ。

楽器屋なんか行くとわかるけど、メン募(メンバー募集)の張り紙って店の階段とか入り口にごちゃごちゃーっと やたら張ってあるんだけど 20〜30枚ある張り紙の中でなんか一枚だけ引っかかるやつがあって 電話番号をちぎって財布の中にしまいこんだんだ。

それから2ヶ月くらい、その番号は財布の中で眠り続けたんだけど、あるとき財布の整理をしてるときに 電話番号の書いてある紙がひらひらと床に落ちた。
「なんだっけなー」って思いながらとりあえず電話。
留守電になっていて10分後くらいに松井さんから電話がかかってきた。
「もしもし あのぅ さっき電話もらった松井と申しますけど・・・」
「えーっと ・・・紙切れに書いてあった番号に電話してしまったものですが・・・」
誰だこいつ!? と お互い少し無言。
「あっそうだ 渋谷のKEYに張り紙してましたよねぇ」 と ようやく僕は思い出す。
「あ〜 張り紙見てくれたんですね!?」
みたいな感じで 僕と松井は偶然知り合ってしまったんだな。

「とりあえず渋谷で会いましょうか」と 約束し後日 例のKEY楽器であうことにした。

そして当日 なんか汚いジャージに健康サンダルみたいな格好で、(いまどき渋谷にこんなやついねぇべ)って 格好の松井正道 登場
「とりあえず お茶でも・・・」 なんて 近くのドトールに入ってお互いの自己紹介をした

僕は結構ゆがんだ青春を過ごしてきたから、初めてまっちゃんに逢ったときは正直暑苦しいやつだなって思ったよ
当時のまっちゃんてば 本当に純粋で汚れてなくて、擦れてる僕には 恥ずかしくて口にも出来ないような 『夢』 やら何やらを 初対面の僕に熱く 熱く!語ったりしてて 妙にインパクトの強い 変なオーラを発してる人だった
「ちょうど こないだのブッキングでいいギター弾く人をみつけたんだ!!」
ドトールで、彼は川やんのことを一生懸命説明しだしたので 後日 今度は三人で渋谷に待ち合わせることにした

秋の風が心地よい晴れた日に、渋谷の宮下公園で三人は初顔合わせをした。
川やんの初対面の印象は、こだわりの革ジャン着て寝癖ぼうずのいまいち冴えない内気な少年って感じ。 
でも聞いたら僕より2つ年上でちょっとかしこまる混xxx。

みんなでギターを持ち寄って それぞれ自分のオリジナルを披露したんだけど三人とも全然世界観が違って これでユニット作ってどうなるの?って感じ。。。
まっちゃんは歌はうまいけど つたないギターで どフォークの弾き語りだし、かわやんは こ洒落たブルージー&カントリー調のギターでなんかテクニシャンを感じさせるけれど歌がヤバイ
そして僕はP・Jハーヴェイ とかヘイデン(マイナーかな?)にモロ影響を受けてた時期でネガティブ&アングラな ギターも歌も下手だけど個性だけで押し通すような音楽やってて協調性のかけらも無い。。。

とりあえず弾き終わってから無言の空気の三人
少なくとも僕とかわやんは「こいつと一緒にマジでバンド組むの!?」と感じてたと思う・・・
重い雰囲気を押し切って まっちゃんが喫茶店でも行こうと切り出し、明治通りのイタリアントマトに移動してバンド名を決めることにする。善は急げ。既成事実は結婚のはじまりってやつだな。

「こんな三人だから和風テイストな名前がいいね」なんて話しで、三人それぞれ順番に候補をあげていった。
まっちゃんは「輪中(わじゅう)」・・・なんか三人仲良くやってこう的なニュアンスだと思ったけどもう忘れた。
とりあえず響きが悪いので却下。
僕は感じ一文字「流」と書いて「る」なんてどう?と提案。 これまた語呂が悪くて却下。
川やんが「あのさぁ、道が三つ交わるのってなんていうんだっけ?」って、例の天然口調で申し訳なさそうに切り出す。
「えっとなんだっけ? 交差点じゃなくて・・・」
「あ、三叉路じゃない!?」
「あぁ三叉路、さんさろ!!」
「いいんじゃないの?三人違うジャンルからきましたよ〜って感じで・・・」
なんて感じで結構あっさりバンド名はきまったんだ。

そんなこんなで結構適当な感じでスタートした僕ら。
三人とも自分に足りないものがあって、それを補い合える仲間を探していたんだな。
まさかそれが今に至るまで続くとは、当時は誰も想像してなかったんだけどね (^^;

                       → そのうち(?) 続く・・・

050808xxx

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